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2007年、「変えよう Tomorrow」!

2007/01/01

新しい1年が始まりました。年頭にあたり、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。

発会以来、2度目の新年を迎えました「ムコ多糖症支援ネットワーク・耀くん基金」。昨年も大変多くの方々から、様々な活動を通じて温かいご支援を賜りました。

まず、音楽を通じての支援活動を振り返りますと、6月、大阪・豊中で開催されました、小松亮太さんらアルゼンチンタンゴの演奏家の皆様によるチャリティーライブの成功がありました。700人もの観客に、とても素晴らしい演奏を楽しんでいただき、またたくさんの募金もお寄せいただきました。このライブの他に、ファンの集いや、「東京バンドネオン倶楽部」様の定期公演など、小松さんのお声掛けにより、様々な方から善意が寄せられました。

小松亮太さんのステージ
小松亮太さんのステージ

そして、昨夏にご支援を表明してくださいました音楽グループ「湘南乃風」と女性ボーカリストのMINMIさんは、9月から5回にわたり「ムコ多糖症」の患者・家族を対象に「シークレットライブ」を開催してくださいました。全国ツアーのリハーサル時間を割き、ほんの数人のためだけに、目の前で歌ってくださったことは、普段ライブなどに足を運べない参加家族にとって、忘れられない思い出となりました。また、「湘南乃風」のメンバー・若旦那さんによる雑誌「Ollie」でのムコ多糖症に関するコラム連載、そして全国ツアーで観客の皆さんに対しムコ多糖症へのご理解を繰り返し呼びかけてくださったことで、当会ホームページへのアクセス数や入会希望者が飛躍的に増加しました。

湘南乃風の皆さん、MINMIさんとともに
湘南乃風の皆さん、MINMIさんとともに

音楽から目を転じまして、当会の主な活動の一つであるチャリティーマラソン。昨年2月に開催された「おきなわマラソン」では、実に60人を越すチャリティーランナーが、「ムコ多糖症」と大きく書かれたオレンジ色のTシャツを着て42.195キロを走り、大きな話題となりました。以来、マラソンやウォーキングを通じての患者支援の輪は大きく広がり、10月には各地のランナーたちの活動ぶりなどを伝えるため、マラソンをテーマにしたブログ「オレンジの波」もスタートしました。

チャリティーランナーの輪が広がりました
チャリティーランナーの輪が広がりました

音楽やスポーツなどを通じての活動では、そのつど、多くの方々から善意をお寄せいただいております。集まった募金ですが、昨年は日米の大学に研究助成金として寄付させていただきました。アメリカは、セントルイス大学でムコ多糖症4型モルキオ症候群の治療薬開発などを手がけておられる戸松俊治先生の研究室に、そして日本では、島根大学にてムコ多糖症などの難病を新生児期に発見・診断する技術を開発している、厚生労働省新生児マススクリーニング研究班・主任研究者の山口清次教授のご研究に対し助成金をお贈りしました。皆様からお寄せいただいた浄財は、今いる患者だけでなく、未来のムコ多糖症患者たちをも救うことになるでしょう。募金をしてくださった方々に、心より御礼申し上げます。

様々な活動が多くの方々の支えにより実現し、以前は誰からもかえりみられる事が無かった、小児科医ですら知らなかった「ムコ多糖症」という病名は、今や老若男女、幅広い層の方々がご承知くださるようになりました。

このように社会がムコ多糖症に注目する大きなきっかけとなったのは、治療薬の薬事承認をめぐる問題です。ご存知のとおり、ムコ多糖症の治療薬は、現在欧米などで3種類が販売・使用されています。これに対しわが国では、昨年10月にようやく1種類が厚生労働省により認可されるに留まっています。その薬剤は、アメリカで承認されてから、じつに1268日という、気が遠くなるような歳月を経て、ようやく日本での使用が認められるに至りました。そして今なお、2種類の薬剤が製薬会社からの承認申請すら出されること無く、厚生労働省の認可がもらえないという状況が続いています。

こうした現状に対し、当会メンバーは、昨年6月に厚生労働省を訪問。当時の副大臣に面会し、ムコ多糖症治療薬未承認問題を早期に解決するよう求める要望書を提出しました。さらに10月は岩手県で、そして12月には福岡県において、当会メンバーが各県議会に働きかけ、国に対し早急な対策を講じてもらうべく、請願の提出を要望しました。この請願はどちらの県議会においても、全会一致で採択され、国に提出されることになりました。わが国の未承認薬問題の根本原因が、立法・行政の不作為にあるのはもはや明確であり、国と行政はこうした請願を真摯に受けとめ、適切かつ有効な施策をすぐにでもとっていただきたいと願うばかりです。

副大臣への請願
副大臣への請願

2007年も引き続き、当会は未承認のままとなっているムコ多糖症のための2つの薬剤の早期認可を求め、関係各所に働きかけていきます。こうした活動は、ひとつムコ多糖症のためだけでなく、欧米で使用が認められている様々な最新の薬剤が日本の患者たちに長期間届かないままとなる、という理不尽な状況を変えていく社会貢献的な活動と位置づけて取り組んでいます。現実に即さない法律を変えたり、行政のあり方を変えたりすることは、そんなに容易なことではありません。しかし、決して不可能というわけでもありません。

薬事行政のことのみならず、難病・ムコ多糖症の患者を取り巻く環境には、変えていかなければならない課題が山積しています。治療薬の使用が認められ、患者の健康状態が改善されていけば、今度は「人生の質」に関わる課題が増えてくるのではないでしょうか。

2007年はそうした新たな課題にも積極的に取り組んでいく年にしていきたいと考えております。冒頭にもご紹介しましたが、当会を支援してくださっている女性ボーカリストのMINMIさんの作品「アイの実」という曲の一節にこうあります。

「はしゃぎながら無邪気に笑う 日が来る ミラクル 願う・・・
今日から始まる 変えようTomorrow」

2007年もムコ多糖症患者の「明日」をより良いものに変えていくため、これまで以上に皆様のお力添えをいただけますよう、切にお願い申し上げます。 力を合わせて、「変えようTomorrow」!

ムコ多糖症支援ネットワーク・耀くん基金
代表 中井まり