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100万ドルをムコ多糖症団体に寄付するアメリカの専門医たち

2006/07/22

少し古いニュースで恐縮です。

National MPS Society ホームページより

医師のエミール・カッキス夫妻とジェリー・ソリアノ医師は、2005年11月5日に開かれたムコ多糖症6型治療薬「ナグラザイム」の承認を祝う会の席上、米・ムコ多糖症協会に対し、100万ドル(日本円にしておよそ1億1千5百万円)という、驚くほど寛大なる寄付をプレゼントしてくださいました。

(中略)

この寄付金は、むこう5年間にわたって、寄付金によって運営される米・ムコ多糖症基金に寄せられます。協会は、この基金が得る毎年の利息から利益を受け取ります。カッキス医師夫妻とソリアノ医師は、協会にとっての素晴らしい友であり、支援者です。我々は心から、彼らに対し感謝の意を表明します。

昨年、アメリカでの出来事。ムコ多糖症1型用の治療薬を開発した医師であり、また製造元であるベンチャー製薬会社・Biomarin社の役員も勤めるエミール・カッキス医師らが、米・ムコ多糖症協会に対し、100万ドルもの寄付金をプレゼントすると発表した記事です。

この話の素晴らしいところは、まずニュースの扱いが極めてささやかであり、米・協会ホームページの片隅に小さく載せられている点です。日本であればきっと大騒ぎになるところですが、当人たちの意向でしょう、ひっそりとその事実関係のみが伝えられています。専門医が患者たちの将来を思い、出来る限りの善意を「慎んで」寄せる。難病患者を取り巻く社会が成熟しているアメリカでは、こうした出来事がごく当たり前のこととなっているのです。

かえりみて、日本ではどうでしょう?こんな話、聞いたことありませんね。出入りの業者や製薬会社と様々な「お付き合い」をしたり、酒食なんぞを共にしているようでは、いつまでたっても、成熟した社会へと脱皮することはできません。日本の医療機関が稀少疾患用治療薬の開発力をもてないのが仕方のないことなら、せめて患者や患者団体との関わり方くらい、欧米に学んで欲しいものです。

もうひとつ特筆すべきことは、1億円以上もの寄付が加わった基金は、今後適切に資産運用され、アメリカの患者会は毎年その利息から利益を得て、会の運営や研究機関への助成金交付をしていくということです。比べても仕方がないかもしれませんが、日米患者会のなんたる違いでしょうか。当会も将来は欧米の団体に追いつくべく、さらに努力を重ねていきたいと思っております。

事務局記