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活動報告

ムコネット、赤松厚労副大臣と面会!切実なる願いを直接聞いていただきました

6月27日、厚生労働省・副大臣室にて、当会と赤松正雄副大臣の面会が実現しました。午前11時からの面会に、当会メンバーは20人が参加。東は岩手県盛岡市から、西は山口県岩国市より合計6人の患者と家族が駆けつけました。

副大臣室で面会
副大臣室で面会

当会ホームページの事前告知に対し、大変多くの方々から行政への「願い」が寄せられました。会からの要望書と皆様からの「願い」を携えて、副大臣室へうかがいました。

面会は、まず、当会の中井麻里代表から副大臣への要望書の手渡しに始まり、続いて副大臣のご挨拶。そして事前にお渡ししていた要望書に対して厚生労働省の川原章・医薬食品局審査管理課長から現状と今後の対応などについての説明がありました。その後、参加患者と家族から日頃の切実なる想いを述べさせてもらい、最後に副大臣と仲介してくださった山本香苗参院議員から要望を受けてのご感想をいただきました。

要望書を手交する中井代表と赤松副大臣
要望書を手交する中井代表と赤松副大臣

赤松副大臣はご挨拶の中で、「ムコ多糖症」1型用の治療薬承認問題についてこう述べられました。
「一昨年11月の最初の要望(注:「日本ムコ多糖症親の会」による陳情)からすでに1年半、平成17年4月の「未承認薬使用問題検討会議」からも早1年以上、昨年8月のジェンザイム・ジャパン社の承認申請提出からだって10か月がすぎ、正直私も何でこんなに時間がかかるのだろう、と思っているのは事実です」。
その後、厚生労働省側の事情を説明されましたが、最後に「ただ、今日もこうして皆さんにお会いしてみて、政治家としての判断は別だと言うか、・・・・本当に一日も早くご要望に応えられるようにしたい」と、私たちの要望に対し誠意あるお考えを示していただきました。

赤松正雄副大臣
赤松正雄副大臣

続いて、厚労省から要望に対する見解ということで、川原課長から個別の要望について以下のような話がありました。

1)海外で既に承認・販売されているムコ多糖症のための治療薬の国内即時承認の実現を要望
課長 副大臣からもお話があったとおり、鋭意努力をさせてもらっている。
当会の見解 「鋭意努力」という以上、必ず納得のいく結果を出してもらいたい。未承認の状態がすでに3年以上も続いている現状、努力だけではもはや評価に値しない。
2)1に挙げた薬剤の国内承認が、なぜこれほどまでに遅れているのかについての充分な検証
課長 「医薬品医療機器総合機構」のホームページで、承認後に情報がオープンにされる。
当会の見解 承認審査内容の詳細、ということではなく、日本の薬事行政のシステム上の問題点などを検証して欲しい、ということであり、問題点の置きどころに相違があるよう。
3)まもなく海外で承認される見込みの「ムコ多糖症」II型用治療薬に関し、国内未承認の長期化を回避するための適切な施策の実行
課長 「これについては、アメリカとヨーロッパで、承認申請が行われているが、日本では、ジェンザイム・ジャパン社が担当することになるかと思う。私どもも、会社の方にも出来るだけ早い承認申請をできないか、ということで、私どもともう一つ医政局と言う、研究開発を振興する部署と一緒になってやっている。欧米でも承認されてないので、(今年)8月にもということで、欧米の承認が先行すると言う形になったら、「未承認薬使用問題検討会議」で検討することになる。その場合、今まで1型と6型のものについては、国内での治験というものを要求していないので、2型ハンターの治療薬の場合でも、同様になるだろう。」
当会の見解 「できるだけ早い承認申請」を企業にうながすという以上は、結果を注視したい。「国内での治験は要求しない」のであれば、アメリカでの承認後、企業は速やかな承認申請が行えるということであり、I型治療薬の時のような遅延は許されない。
4)2007年に開始する「ムコ多糖症」IV型治療薬の世界同時治験の拠点に日本の病院が選ばれるための、国・行政の支援
課長 製薬会社のビジネス上のこともあり、まだ詳細は聞いていない。8月に開発者の戸松俊治先生が来日した際、相談できれば。その後の日本での薬事審査と関係しながら、戸松先生からの要望があれば、協力していきたい。
当会の見解 治療薬の開発者である戸松先生と、スイスの製薬会社、日本の医療機関と厚労省がきちんと協議して、日本も世界同時治験の拠点に選ばれるよう、本腰を入れて取り組んで欲しい。
5)国内で数人しか患者がいない「ムコ多糖症」6型の未承認治療薬の問題を解決してください。
課長 「『未承認薬検討会議』で検討をいただいて、承認申請をする企業を探しているということで、わたしどもの医政局とわたしどもの方で、手をあげる企業を探している、いや、探しているというか、「未承認薬検討会議」で検討いたしますと、日本のベンチャーみたいな企業がいくつか出てきて、そういうことであれば我々がやりたい、といっていくつか手を上げる企業がでてきている。ビジネス上の問題がありますけど。米国のバイオマリン社から日本での開発権をもらってこないとならない。その段階まではいってない。私どもとしても早く国内でやりたいという企業がいるので、ビジネス上の問題をクリアすれば、国内での供給につながるようにしていきたい。」
6)上記全ての問題を抜本的かつ包括的に解決するための方策として、「超」稀少疾患の薬事行政を根幹から見直し、寄って立つところの現行法を改正、または新法の制定を可及的速やかに目指してください。
課長 「オーファンドラッグ(稀少疾患治療薬)の一般的な定義からかなり少ない病気につきましては、大臣、副大臣のご指導のもとで、「未承認薬使用問題検討会議」という元々は抗がん剤などのための会議を、私どもは、小児の難病でも活用する。それから海外データを活用する。現在のところは既存の枠組みの中で、精一杯までやっていく。ちょっとまあ、将来的に特別なルールと言いますか、制度を作ると言うことにつきましては、中長期的な検討課題かな、と。」
当会の見解 既存の枠組みでうまくいっていないから未承認薬問題が発生している。先進諸国に比べ、圧倒的に未承認薬が多く、承認までの時間がかかりすぎる現状では、ルールそのものの見直しが急務であることは誰の目にも明らか。「中長期的」とは、悠長ではないか。

説明をする川原章審査管理課長
説明をする川原章審査管理課長

以上が、川原課長からの説明と当会の見解です。

続いて、それぞれの患者と家族が、副大臣と直接話しをしました。その中で、I-Cell病ムコリピドーシスの木内慎也君のご家族は、この病気に関しての独自の要望を提出、合わせてI-Cell病についての解説をまとめた書面を、副大臣に受領していただきました。

I-Cell病に関する要望書を提出した木内義一さん
I-Cell病に関する要望書を提出した木内義一さん

それぞれの発言につきましては、ムコネット・ブログ「命耀ける毎日」をご覧ください。

最後に赤松副大臣と山本香苗参院議員から、面会をしての感想をお話いただきました。

副大臣 「第一義的には厚生労働省、行政を含めた僕らの責任。その責任を全うするということと合わせて、全日本的に強く呼びかける、別に厚労省の責任をどうこうというのではなく、第一義的には厚労省ですけど、日本社会全体でこうした問題に直面していくべき。
山本議員 「なんとしても、なにかできればという想いをもっておりますので、今日はスタートということで頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。」

山本香苗参院議員
山本香苗参院議員

「ムコ多糖症」の治療薬承認問題については、ながらく、一部の専門医と厚労省、開発企業と患者・家族がひそやかに話をしてきました。その結果は、すでにご存知の通りです。この問題が今なお一つも解決されていないという現状は、副大臣のご発言のとおり、日本社会全体で解決に向け取り組んでいかなければならない重大な課題だということを、はからずも示すこととなりました。ことは、「ムコ多糖症」だけの問題ではありません。私たち日本人が、これから次々に諸外国で開発される「オーファン・ドラッグ」(稀少薬)の恩恵をすみやかに受けられるか、それとも、毎回毎回、厚生労働省の門を叩き、陳情にうかがわなければ解決に向かっていかないという不合理な状況が続くのか。是非、社会の一人一人が未承認薬問題について考えていただきたいと思います。

最後に、今回の面会実現のため、様々ご尽力くださいました皆様、とりわけ、私たちの切実なる願いをいつも真摯に受けとめてくださっている山本香苗参院議員に、心より御礼申し上げます。

文責:事務局